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書籍 | 宮下奈都『羊と鋼の森』調律師という仕事を通じて成長する青年の物語

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私たちに最も馴染み深い楽器の一つであるピアノ。 

演奏会やコンサートで素敵な演奏を私たちに与えてくれるピアノですが、その美しい音色を作っている「調律師」という仕事を皆さんはご存知でしょうか?

今回は、ピアノの音色を作りあげる「調律師」という仕事を題材とした小説、宮下奈緒著『羊と鋼の森』をご紹介したいと思います。

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著書 宮下奈緒について

まずは、この本の著者である宮下奈緒さんについてご紹介したいと思います。

宮下 奈都は日本の小説家。福井県福井市生まれ。福井県立高志高等学校卒業。

上智大学文学部哲学科卒業。2004年、3人目の子供を妊娠中に執筆した「静かな雨」が第98回文學界新人賞佳作に入選し、小説家デビュー。2010年、「よろこびの歌」が第26回坪田譲治文学賞の候補となる。

この作品も本屋大賞を受賞したり、2018年に山崎賢人主演で映画化もされているため、タイトルを聞いたことがある方もいると思います。

この本のあらすじについて

ゆるされている。世界と調和している。 それがどんなに素晴らしいことか。

言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。

「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」

ピアノの調律に魅せられた一人の青年。

彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。 

この物語の主人公は北海道の田舎で育ち、調律師という仕事に魅せられた青年、外村。

彼が中学時代に体育館の調律を依頼した調律師、板鳥という天才調律師に出会ったことで彼の人生は大きく変わりました。

調律師を目指して専門学校に通い、卒業して板鳥のいる会社に就職した主人公。

調律を依頼するお客さんや職場の先輩、色々な方との繋がりを通じて、成長していく

美しく丁寧に描かれた文章に魅せられる一冊です。

静寂と洗練さを体現した音色のような文章の美しさ

明るく静かに澄んで懐かしい文体、少し甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体。

天才調律師の板鳥が出した理想とするピアノの音の答えとして引用したこの言葉は、小説家である原民喜の言葉を引用したこの言葉。

この言葉は、まさにこの小説を表現するにふさわしい表現であると感じる一節です。

美しさの基準は人それぞれ。

理想とするピアノの音色を言葉で表現することは難しい。

言葉で表現することの可能性を感じるとともに、音楽を言葉で表現することの難しさといものを考えさせる作品です。

タイトルに込められたピアノの森に思いを馳せよう

主人公を取り巻く雰囲気が音に変わる、ピアノの中に潜む森に思いを馳せたくなる一冊です。

淡々と進む物語ですが、タイトルの意味を知ることで、より深くピアノの音色の奥深さをに思いを馳せることができる内容となっています。

この小説の世界を通じて、ピアノの音色が響き渡る森を散策してみませんか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
tomika

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